ウォーキング(歩行)の重要性について
さて皆さんは毎日何歩ぐらい歩いていますか?
現代では自動車や電車等の乗り物に利用することが多くなり、自分の足で歩く生活が減っています。
歩くことは健康に良いこととは知ってても、どれくらいの時間、距離、速さ、姿勢で歩けばよいのかがわからない人が多いのではないでしょうか?
ここではわかりやすく説明していきたいと思います。
☆ウォーキング時のポイント
①服装
当たり前ですが、手には何も持たず動きやすい服装とスニーカー(運動靴)は必須です。
②姿勢
・まっすぐ前を見る
・上体はやや前傾で、肘は70~80度曲げる。
・腕を振る時は後方に引くことを意識する。
・足で一本線を挟むイメージで歩く。
③ウォーキング時間
距離や速度はあまり気にせず、当院ではまず連続43分歩行を推奨しています。
今まで歩いたことのなかった方にとって43分はとても長く感じるかもしれませんので、まずは10分からでも大丈夫です。短時間でも毎日続けることで、身体が慣れてきますので生活習慣の一部になってきます。すると43分って時間は気にならなくなります。
☆☆43分ウォーキング?☆☆
なぜ43分なのか?簡単に説明します。
☆関節の構造
関節は2つの骨がしっかりつながっている部分(連結)のことです。膝や肘、足首など人体には約265個の関節があります。
これらの関節を動かすことで歩く・すわるなど人間が生活する上で必要な動作ができます。
骨と骨は硬いもの同士ですので、直接触れ合うとお互いの硬さで骨がすり減って激痛が生じてしまいます。
そこで、正常な関節部分の骨の表面には軟骨の層で覆われています。軟骨には神経や血管がありません。水分に富み、関節にかかる衝撃を吸収し、関節を滑らかに動かす働きがあります。さらに関節部分は関節包という袋状のようなものに覆われていて、その内側の滑膜という膜から、潤滑油のような役割をする関節液が分泌されます。
関節の中でも特に膝関節と股関節は、体重を支えながら動くという人間の動作(歩行)に最も重要な役割を果たしています。
人間が元気に活動を続けるには「歩行」がとても大切なのです。
☆43分の理由
ウォーキングを始めると歩いた時に関節にかかる衝撃と振動により、関節包が刺激されます。
30分間刺激を繰り返すことで、関節包の内側にある滑膜から滑液という潤滑油のような関節液が滲み出てきます。
そこから13分の間に滑液が関節全体に染み渡るのです。
歩かない身体の状態は関節が固着してしまってるのです。例えば、自転車を乗らずに放置してると錆びついて動かなくなります。その自転車を動くようにするには車輪やチェーン、ペダルの根元に油を差します。油を差すだけでは動きません。油を差してからペダルや車輪を少しづつをぐるぐる回すことで油が浸透しスムーズに動くようになってきます。人間の身体も同じなんです。
最初のうちは摩擦が生じるので患部に熱(痛み)が発生することがありますが、その時はウォーキング後に患部を冷却して熱取りをしてあげる事で、熱(痛み)も取れます。
足腰が痛い時に病院や整骨院で、歩くように言われることが多いかと思いますが、運動することで筋肉の強化や血流改善の意味もありますが、では具体的にどれだけの時間歩けばよいのか説明してくれません。
何となくでも頭の中でイメージできれば、今日も頑張ろうって気持ちになりやすくなります。身体さえ慣れてしまえば、日常生活での習慣になってしまえば、ウォーキングを楽しめることができると同時に辛かった時期のことすら忘れて楽しい生活を過ごすことが出来ますよ。
☆まとめ
・43分(30分で潤滑液が出る+13分(関節全体に浸透する)
・+30分冷却(アイシング)→関節の熱取り
・歩かない (油切れ)→関節が錆びる→動かなくなる(痛みが出る)
↓
・施術(錆び取り・油さし)→43分歩行(潤滑・冷却)→動ける(痛みが消える)
↓
正常に関節が動き正しい歩行が身につき健康になります。
☆ウォーキングの効果
①骨が強くなります。
歩くことで骨に荷重がかかり、その圧力で骨からマイナス電子が発生し、まわりからプラスイオンがくっつきます。代表的なのがカルシウムです。
またカルシウムは運動による適度な刺激によって吸収が高まり、日光を浴びることでカルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で作られます。
これによって、骨が強くなり、骨粗鬆症の予防にもなります。
②血液と免疫細胞が作られます。
骨にかかる圧力が低くなると、赤血球やリンパ球が作られます。マラソン選手が高地トレーニングをするのは低圧環境の状況下で酸素を運搬する赤血球を増やすためです。
一方で圧力が増すと、バクテリアを食べる顆粒球やマクロファージが作られ免疫が高まります。歩くことで骨髄に圧力がかかることで免疫細胞がつくられるために、病気になりにくくなります。
③血液を全身に送れます。
ふくらはぎは第2の心臓と言われる通り、歩行することで筋肉が収縮し、ポンプ作用により骨髄で作られた免疫細胞を全身に送り届けることができます。
④内臓機能の改善
歩行による振動で胃腸が刺激され、蠕動運動が活発になります。すると消化が良くなり、お腹が空き、食欲が出ます。同時に腸の働きも良くなるので、便通が良くなります。
歩行は有酸素運動でもあるので、体脂肪をエネルギー源として利用するため、結果肥満が解消されます。
⑤糖尿病の予防と改善
歩行すると筋肉が動きます。それにはエネルギーが必要ですが、それには血液中のブドウ糖を筋肉細胞に取り入れて消費します。
これを繰り返すことによって、血糖値が下がります。
糖尿病の治療でウォーキングが取り入れられているのはこのためです。
その他、ウォーキングをされている人ほど、肝機能や腎機能の数値が低いことが分かっています。
⑦リラックス効果と認知症予防
ウォーキングは年齢に関係なく脳への血流を増加させます。
すると脳内にセロトニンという精神安定物質が分泌され、自律神経のバランスが整い心身がリラックス効果が生まれます。
また、歩くことで脳への酸素供給も多くなり、脳の働きを活発にしますので、認知症の予防に効果あります。
☆歩行は生命の貯金です。
厚生労働省では、運動や活動量の多い人ほど、糖尿病・高血圧・・肥満・骨粗しょう症・大腸がん・虚血性心疾患などの罹患率や死亡率が低いと発表されています。 また、運動や身体活動が心の健康や生活の質の改善や高齢者の寝たきりを減少させる効果をもたらすとも発表しています。
ウォーキングはいつでもどこでも誰でも思いついたらすぐに始められます。年配の方でも無理なく自分のペースでできます。
健康のための運動やトレーニング方法は沢山ありますが、「歩行」は人間として
人間は2足歩行の「動物」です。
動物は「動く」「物」ですので歩行は動物にとって健康な生命を維持するための最も重要な動作です。
ちょっと長文説明になってしまいましたが、シンプルに楽しみながらウォーキングしましょう!