☆冷やすか温めるかどっちがいい?
痛みや症状があるときによく質問されることです。
色々な考え方がありますが、私自身の見解と臨床経験をもとに説明させていただきます。
答えはどちらでも正解です。
但し、判断を間違えたときに温めるほうが悪化のリスクがあります。
でもどちらかとなると冷やしたほうのリスクはありません。
実は温めても冷やしても患部に求める目的と効果は同じなんです。
その効果とは、血流改善と鎮痛作用です。
それではなぜ冷却より温熱のほうがリスクがあるのでしょうか?
それは、痛みの原因です。
痛みには大きく分けて2つの原因があります。
それは、炎症による痛みと血行不良による痛みです。
☆炎症による痛み
炎症があるということは患部に熱を持っています。
その熱に温熱を加えるということは火に油を注ぐようなものです。
その場合は悪化する可能性がありますので、冷却が正解です。
炎症がある場合の痛みとは?
・患部を触った時に熱っぽい
・左右の同じ部分を触ったときに時に体温差
・転倒してぶつけた、何かに当たった、動いた瞬間に痛みが走ったなど、痛めた原因をはっきり覚えている。
・明らかに膝や足首などの関節部分で腫れている
☆血行不良による痛み
・明らかに患部が冷たい。
・患部の筋肉が硬かったり、コリがある。
・痛みが出た瞬間が分からず、気が付いたら痛い
・患部を押さえてハッキリした部分がわからないが、その周辺のどこかが痛い
この場合は単純に温めてあげるのが良いですが、実は冷やしても問題ありません。
ただし、それ以上の悪化はしませんが、現状維持で良くならないことがあります。
☆原因
温熱も冷却もポイントがあります。これさえ頭に入れておけば、応急処置でセルフケアができます。
温熱時のポイント
・温湿布で患部は温もりません。
→トウガラシ成分のカプサイシンが配合されてるので、ポカポカ温感を感じるだけです。
温湿布よりカイロのほうが確実に患部の芯まで温めることが出来ます。
・岩盤浴またはホルミシス効果のある製品。
鉱石から出る放射線がホルミシス効果による遠赤外線と免疫効果があります。
→当院では、ホルミシス製品を取り扱っております。
冷却時のポイント
・冷湿布は冷やしたうちに入りません。
→痛みがあって整形外科に行くと、患部に貼る湿布を処方されます。確かに貼った瞬間は冷感をかんじるので、冷却したと思いがちですが、メントールによる冷感を感じるだけで、炎症を引きません。患部を温める為の温湿布も同じです。トウガラシ成分が温感を感じるだけで実際は温もりません。
・冷却時間は30分以内です。
→連続30分以上続くと凍傷になる可能性があるので、連続で冷却する場合は15分のインターバルをあけてください。
炎症の熱を1番効率よく取るのは氷のう(氷水)です。
氷は熱を吸収することで溶けていきます。0~4℃の間が1番効率よく熱を吸収しやすい為、患部の炎症を取るには氷のうで冷やすのが1番です。
ちなみに保冷剤やアイスノンを使われる人がおられますが、保冷剤はー16℃ぐらいまで下がり、凍傷を起こす可能性がありますので使用しないでください。
余談ですが、例えば早く缶ジュースを冷やす時はどうされますか?
保冷剤を巻き付けるより、氷水に漬けたほうが早く冷えるのと同じ原理です。
氷は製氷機で作るくらいの大きさがベストです。
氷の粒は小さいほうが表面積が広くなり、更に効率よく患部の熱を吸収してくれます。が家庭用冷凍庫で作る氷でも大丈夫です。
冷湿布や温湿布には鎮痛剤の成分が含まれていますので、
氷のうで30分冷却後に冷湿布を貼るのがベストです。
その他、冷却することで新陳代謝が活発になりますので、当院では冷却方法やタイミング等、説明させてもらいます。
夏場はともかく冬場に冷やすと全身まで冷えて風邪ひくのではないかという質問されることがあります。
よく勘違いされるのが、氷で患部を冷やす事と身体まで冷えることは意味が違います
身体が冷えるというのは、真冬に外で長時間立ってたり座りっぱなしだと身体の芯から冷えて風邪ひいてしまいますが、患部を冷やす事で身体の芯まで冷えることはありません。
氷のうを当てた直後は冷たく感じますが、5分もたつと冷たさが慣れてきて、冷却が終わるころには血流がよくなり、身体がポカポカしてきます。
サウナに入ってっ直ぐに水風呂に入ると直後は冷たく感じますが、時間経過とともに身体がポカポカしてくるのと同じ原理ですので、冷え症の方でもご安心ください。