☆鍼灸整骨院が整体をする理由
鍼灸整骨院とは
鍼灸整骨院には、「柔道整復師」と「鍼灸師」の国家資格を持った先生がおられます。
両者とも3年養成所で基礎医学と臨床医学を学び、卒業してから国家試験をうけることができます。
国家試験に合格して初めて厚生労働省から免許が交付され、「鍼灸師」「柔道整復師」になれます。
柔道整復師は開業すると健康保険を使って施術できることができますが、健康保険内で施術できる範囲は制限があります。
整骨院で健康保険が適応されるのは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉離れで、骨や関節、筋肉や靭帯などの軟部組織の損傷に対して施術を行います。
しかし、業務中や通勤途中のケガで健康保険は適応外です。(労災保険)
これらのケガは当日や2~3日前に受傷した急性期に限ります。
施術に対して保険が適応されるのは罨法(冷やす・温める)、電気治療、処置(包帯固定などの後療法)のみです。
実際に来院される方々でケガでの来院は少なく、ほとんどが長年かけて痛くなった肩こりや手術したが改善しない椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、病院や色々な医療機関に行ったが良くならない五十肩、歩くのが不安になる膝の痛みなど、沢山の方が慢性の症状に悩まれている方なのです。
☆当院が整体をする理由
特に当院に来院される方は慢性症状で長年悩まされてる方々が多いです。
開院当初は少しでも経済的負担を抑えるために健康保険を取り扱っている時期もありましたが、初めは良くても時間の経過と施術回数の割に結果が出ず、健康保険の範囲内の施術内容ではすぐに限界を感じていました。整形外科に行けば健康保険を使って診察と診断はしてくれますが、重大な骨折や脱臼を除いて、湿布や鎮痛剤などの薬物治療しかしてくれません。一般の整骨院では患部に電気を当てたりホットパックで温めたり、マッサージをして筋肉をほぐしてくれますが、あくまでも健康保険の範囲内で堂々と保険請求ができることしかできていないのが実情です。
当院では、保険の範囲で施術できない症状で悩まれている方の力になりたいという思いから保険を使わず、独自理論による鍼灸と整体のハイブリッド施術を行っております。これまでの臨床数から得た経験と知識で、今までどこへ行っても良くならなかった重症腰痛をはじめとする様々な難治性疾患を施術する「最後の砦」として使命感と責任感を持って施術しています!
症状の根本原因によって個人差はありますが、ご縁で当院に来られたお客様は必ず元気になります。
「病は気から」という言葉があるように、病と気持ち(気力)まで元気にすることが、生き生きとした人生の幸せにつながっていくのであると、これまでたくさんのお客様を施術してきて感じたことです。
☆当院が保険施術をしないもう一つの理由
☆健康保険が使えるのはケガのみ
当院には、通りがかりや電話での問い合わせで、整骨院なのに健康保険使えないですかと聞かれることがあります。問い合わせの際、最初に悩んでいる症状をお聞きしてから、整骨院ですが当院では健康保険は取り扱いしてない旨をお伝えしています。
世間では、「整骨院=健康保険が使える」と認識される方が多いので、当然断って帰られる方もおられます。
断る方の多くが軽症の肩こりや慢性的な腰痛ですが、法律上、整骨院で健康保険が使えるのは急性期のケガのみです。
☆負傷回答の偽装工作
これは余談なんですが、健康保険を取り扱っている整骨院の院長や経営者は、施術の裏でとても精神的に苦労されている人が多いです。
前述の通り、実際に来院される方のほとんどは肩こりや腰痛などの慢性疾患です。
本来なら健康保険対象外のはずですが、慢性疾患を急性のケガをしたことと口裏合わせしている整骨院があります。
そういった不正をしている整骨院が多いため、1回でも通院すると保険組合から負傷回答という名目のアンケート用紙が患者さんのもとに届きます。整骨院では「患者自身の判断で記入せず持ってきてください」と言われることが多いです。
これは健康保険を適応させるための偽装工作と同じで、一昔前まではどこの整骨院も同じことをやっているからってことで済んだかもしれません。しかしコンプライアンスが厳しくなってきた現在では非常に苦しい言い訳になってしまいます。柔道整復師と患者様の見解の違いだけでは通用せず、不正請求もしくは悪質なものでは保険詐欺罪になってしまいます。
☆部位転がし
さらに、保険請求するためのレセプトと保管用のカルテを作成しないといけませんが、
同じ傷病名でずっと保険請求できないので、急性期が慢性期になる3ヵ月を目処に傷病名を変えていかないといけません。これがいわゆる「部位転がし」と言われるもので、同じ整骨院に1年以上通院されている患者さんは、1年で最低4.5回はケガして治るを繰り返しています。つまり保険請求している整骨院で常連になればなるほど、柔道整復師は不正を重ねていくことになり、ストレスがたまっていきます。
☆偽装カルテ作成と白紙レセプトサイン
不正請求や保険金詐欺のニュースを見るたびに精神的に疲弊していく柔道整復師が多いです。
唯一の自分の身を守る根拠がカルテになります。保険者や各地方厚生局の調査が入った時に提出しなけばなりません。本来、患者さんの情報としてカルテを記載しますが、実際は慢性疾患でも、保険請求の根拠用に急性疾患用の偽装カルテを作成し、最終通院日から5年間は保管しとかないといけません。この偽装カルテを作成する労力と月末にレセプトを作成する労力のストレスは尋常ではないです。
あと、月初めに白紙のレセプト用紙の委任欄にサインするなど、整骨院の保険請求システム自体に問題があります。
こういった整骨院業界の実情があることも、当院が健康保険を取り扱っていない理由の一つです。
☆時代錯誤の制度
保険請求やレセプト、偽装カルテ作成に無駄な頭と時間を使うより、当院にお越しになる患者さんの症状と施術に時間を使ったほうが、本当の施術家ではないかと私は思います。
柔道整復師法が制定されたのが1947年です。今から約75年前ですが、当時と現在の世の中の環境が全く変わってしまっているにも関わらず法律は当時のままです。今の時代のニーズに全く合っていないのも問題だと思います。
☆同業の先生へ
もしこの記事をご覧になられて心に響く先生は一度この制度について真剣に考えたほうがいいですよ。完全自費で施術をされている先生は裏で本当に努力してますし、私は心の底から尊敬します。逆にどれだけ評判が良くても健康保険を使って施術してる先生は正直信用できません。自分の仕事を子供に胸張って自慢できますか?
少しでも後ろめたい気持ちがお持ちの先生なら変えるべき時です。